「こさきん亭」(マイクワールド)は移転しました
http://newnew2.web.fc2.com/
これぞコサキン
笑いの備忘録
3年ぶりに登場!
あいもかわらぬ内容と装丁、それはリスナーの心のふるさと…
新参リスナーのあなたにも!これは「コサキンの教科書」だ!
中2の放課後〜2人合わせて100才〜
(TBSラジオ編 興陽館刊)


こさきん亭
「剛州」
イベントで、ロハで配られた…涙。 「村上ショージVS剛州」風塵社 著:山中伊知郎 税抜き1,600円 ISBN4-938733-50-1

 カンコンキンでもおなじみのイッチーさんが、剛州と村上ショージをフューチャーした世紀の奇書を上梓した。
 ショージは「関西の龍」、剛州は「関東の虎」と称されている。この本だけでは「偉大」と言われるこの二人に共通するのは「スリッピーギャグ」。客には受けず、共演者やプロに受けるギャグのことで、この二人はまさにそれを得意としている奇特で貴重な芸人である。それを体現するように、ショージはさんまなしでは、剛州は浅井企画タレントなしでは全国区のTVに滅多に出ない。
 しかし「ひょうきん族」で名を売り、今でもゴルフをたしなむショージに比べ、剛州はバイトが本業のようになっていて、暇なときはウサギの世話をするだけという落差が、涙を誘う。貧乏な家に生まれたショージのほうが、金持ちの家生まれの剛州よりリッチというのも泣かせる。とはいえ、ショージも芸人として見限られている部分もあり、人生に迷っている人に読んでもらいたい一冊だ。

 二人の生き様を詳しく年表で公開しているが、ショージの家庭の貧しさ、剛州のすさんだ少年時代(いじめっ子でスケベだった)、二人の性の目覚め、やな初Hと、驚かされること請け合い。
 大人になってからは華々しい時代(ショージはひょうきん族、剛州は松田優作との出会い)を経験するが、あとは落ちて行くだけの二人。ショージはさんまというバックアップを持ってなんとか生きて行くが、剛州は運輸会社でのバイト、白血病と胃がん罹患という衝撃の事実が次々と明らかになっており泣けてくる。

 二人のギャグが至る所にちりばめられているが、二人への理解がないと笑えるものではない。剛州はダジャレや下ネタ、ショージは独特のシュールギャグと、きれいに二人の世界が現れていて圧巻。
 ギャグには笑えず、一番笑ったのはタキシード姿の剛州の写真というのもいかにも剛州らしい。

 表紙はインパクトがあるが、中のレイアウトはみずぼらしく、勘亭流の字が踊る情けないもの。カラー写真は減色にともなう階調飛びやノイズが激しい。中の白黒ページでも、解像度指定を間違えたか、見るに耐えないドットの荒い写真(P120、P158)が。
 そんなチープさに対して驚かされるのはイッチーさんの造詣の深さ、さらにそれをひけらかさないところ。イッチーさんの確かな目もこの本の魅力だ。

 本の至る所で、二人の知人たちが、温かいメッセージを寄せている。巻末では「巨匠対談」と題し、ショージと剛州が、自らの生き様や、芸人としての心構えなどを熱っぽく語っている(もちろん芸人指南としては役には立たないが、人生に迷った人には読んで欲しい)。
 一番ビックリしたのはカバー裏のイッチーさんの写真と経歴。早稲田だったのね。

 この本は川岸さんが販売に奔走しており、キャイ〜ン天野の元相方、藤代氏のお店でも販売。しかし対象読者層が限られているだけあって、書店には並ばないよ、と著者のイッチーも力説していた。
 イッチーの力作にも関わらずこの本は残念ながら全く売れず、数千冊の在庫が浅井企画の倉庫に積まれた。明石家さんまの番組で、視聴者プレゼントになったこともあった(が、結局笑福亭笑瓶の家に5冊届けられただけだった)。結局剰余分は、'99年4月、九段会館で開かれたコサキン公開イベントでリスナーに無料配布された。1,600円出して買った読者の思いはいかに。

こさきん亭トップへ  上に戻る  Back コサキンの愉快な仲間
inserted by FC2 system